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万博が終わっても人を引きつける大阪

街そのものを楽しむ旅へ

2025年の大阪・関西万博は、約2,902万人が来場する大きな催しとなりました。国内外のメディアで大阪が紹介され、万博をきっかけに初めて大阪を訪れた人も少なくありません。

しかし、万博が閉幕した後も大阪を訪れる人は絶えません。大阪観光局の推計では、2025年の来阪外国人旅行者数は約1,763万5,000人。2026年も1月から7月までに約965万人が大阪を訪れたと推計されています。

なぜ大阪は、一度限りではなく、何度も訪れたくなるのでしょうか。

その理由は、大阪が単に「有名な観光地を見て回る都市」ではないからです。大阪の最大の魅力は、街の中に入り込み、食べ、歩き、人や文化に触れることにあります。
住吉大社前の電車

見るだけではなく、街に参加する楽しさ

大阪を代表する場所の一つが道頓堀です。グリコサインや巨大な立体看板を眺め、たこ焼きやお好み焼きを味わい、戎橋から道頓堀川を見下ろす。観光名所でありながら、食事や買い物を楽しむ人々の日常が、そのまま大阪らしい風景になっています。

黒門市場では鮮魚や果物、串焼きなどを店先で味わえます。新世界では通天閣を見上げながら串カツ店を巡り、天神橋筋商店街では約2.6キロメートルにわたって続く商店街
を歩きながら、昔ながらの食堂や喫茶店、総菜店をのぞくことができます。

鶴橋へ行けば、焼肉店や韓国料理店が集まる路地から食欲をそそる香りが漂います。少し足を延ばして京橋や十三、天満を歩けば、観光案内だけでは見つけにくい居酒屋や立ち飲み店にも出会えます。

大阪では、名物を見ることと、食べること、街を歩くこと、人と接することが切り離されていません。旅行者は外から街を眺めるのではなく、そのにぎわいの中に自然と加わっていきます。
串カツ

一度では味わい尽くせないから、また訪れたくなる

大阪観光局が関西国際空港で実施した2025年度の調査では、大阪を訪れた外国人旅行者の満足率は97.1%、リピーター率は40.0%でした。高い満足度に加え、何度も訪れている人が多いことが大阪観光の特徴です。

初めての旅行では、道頓堀、大阪城、通天閣、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンといった定番の場所を巡る人が多いでしょう。しかし、二度目、三度目になると、中崎町の古い町家を利用したカフェ、空堀商店街周辺の路地、中之島の水辺、堺の旧市街、箕面大滝などへ関心が広がっていきます。

同じ難波でも、昼間の商店街と夜の道頓堀では雰囲気が違います。新世界も、通天閣だけを見るのか、ジャンジャン横丁を歩いて店に入るのかによって、印象が変わります。

決められた観光コースを一度回れば終わるのではなく、訪れるたびに別の街の表情を発見できる。それが、大阪にリピーターが多い理由の一つです。
かに道楽

長い歴史と新しい街が隣り合う

大阪には、古代から現代までの歴史が幾層にも重なっています。

593年に創建されたと伝わる四天王寺、全国約2,300社ある住吉神社の総本社・住吉大社、豊臣秀吉ゆかりの大阪城。堺には、世界文化遺産に登録された百舌鳥・古市古墳群の一部である仁徳天皇陵古墳や、千利休にまつわる文化を紹介する「さかい利晶の杜」もあります。

一方、大阪駅の北側にはグラングリーン大阪とうめきた公園が誕生し、梅田の街は大きく変わりました。高層ビルが立ち並ぶ都心に広い芝生や水辺が設けられ、買い物や食事だけでなく、散歩や休憩を楽しめる空間になっています。

中之島では、1918年に完成した大阪市中央公会堂や大阪府立中之島図書館といった歴史的建築の近くに、大阪中之島美術館や国立国際美術館などの現代的な文化施設が並びます。川沿いを歩けば、近代建築、水辺の景観、カフェや美術館を一度に楽しめます。

万博記念公園では、1970年の大阪万博を象徴する太陽の塔が今も存在感を放っています。そこに2025年の大阪・関西万博の記憶が加わり、大阪には異なる時代の「新しさ」が積み重なっています。

大阪は、古いものを保存するだけの街でも、新しい建物へ置き換えていくだけの街でもありません。歴史ある寺社、商店街、近代建築のすぐそばで、新しい公園や文化施設、商業施設が生まれています。この対照的な風景が、街歩きを一層おもしろくしています。
中之島バラ公園

大阪の日常そのものが観光資源

大阪の魅力は、有名な建物やテーマパークだけではありません。商店街から聞こえる店の人の声、鉄板でお好み焼きが焼ける音、道頓堀川に映るネオン、中之島を吹き抜ける川風。そうした街の日常も、旅行者にとっては大阪でしか味わえない体験です。

大阪・関西万博は世界中の人々に大阪を知ってもらう大きなきっかけになりました。しかし、万博後も人々を引きつけているのは、一時的なイベントの余韻だけではありません。

大阪には、食べてみたいもの、歩いてみたい路地、話してみたい人、そして次に訪れたときに見てみたい新しい風景があります。

観光地を巡るだけではなく、街のにぎわいの中に入り、その日常を一緒に楽しむ。大阪が何度でも訪れたくなる街であり続ける理由は、そこにあるのではないでしょうか。

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